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Queens Of The Stone Age『...Like Clockwork』
 ジョシュ•ホーミ率いる5人組みのアメリカのロックバンド、Queens of the Stone Age (クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ)、2013年発表の5thアルバム「..Like Clockwork」。

 本作のゲストはエルトン•ジョン、トレント•レズナー、アレックス•ターナー、デイヴ•グロールetc……ジョシュの人脈をフルに活かした形でとてつもないメンバーを集めたなーという印象です。それすらも、バンド内の1つのピースに組み込んでしまっているのが本作の凄いところ。3rdアルバムであり歴史的な名盤である「Songs for the Deaf 」の再来と言っても過言は無いでしょう。
 前作より全体的に曲のテンポを落とした分だけ、粘るようなグルーヴ感や絡み合うような各パートを感じることが出来て、素晴らしい音源になっています。全10曲収録されていますが、捨て曲なし、曲ごとにカラーも異なっていて、スタジオ音源とは思えないぐらい生々しい演奏で、最高です。♯5「My God Is The Sun」のようなラウドな部分と♯10「…Like Clockwork」のようなメランコリーな部分を併せ持っているアルバムで、個人的には彼らの既発の音源で一番良いと思いました。
 アルバムの収録曲順も、10曲で止めてボーナストラックも入れないことによって、より完成度が高まったと思います。それにしても、曲をドラマチックに盛り上げるドラムと、メロディアスなギター……本作には真新しさはないけど、スタンダードでポップ直球な感じで完成度が凄いです。ジョシュはロックとは何かっていうのをしっかり分かっているんでしょうね。ひさびさにテンションが上がる名盤でした。とりあえず、ギター&ハードロックが好きなら、聴いておいて損はないと思います。

ベストトラック:♯5「My God Is The Sun」


オススメ度:★★★★★


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Arctic Monkeys『AM』
 英国を代表するバンドとなったシェフィールド出身の4人組のロックバンドArctic Monkeys(アークティック•モンキーズ)、2013年発表の2年ぶりとなる5thアルバム「AM」。

 近年だとオリンピックでも演奏していて、そんなにポップなバンドじゃないだろうって心の中でツッコミましたが、少しづつ、流行で聴くバンドから、本当に好きな人が聴くバンドに変化してきたように思います。デビュー時のようなまくしたてるようなフロアアンセムこそ無くなりましたが、4thアルバム辺りでクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ人脈と絡み始めたぐらいから、良い意味で地味で真っ当なロックバンドに変わりつつあります。本作は3rdと4thアルバムの総決算的な印象で、BPMとリズムだけに頼らないメロウな楽曲が俄然良くなっています。♯6「No. 1 Party Anthem」、♯7「Mad Sounds」辺りの聴かせる曲がとてもストイックな感じで枯れていて、良いですね。♯7「Mad Sounds」なんかは、初期のプライマル•スクリームのアルバムにバラードとして入っていそうな曲で、今までの彼らのイメージを覆してくれました。その一方でハードロックのようなリフ主体の♯1「Do I Wanna Know?」、♯2「R U Mine?」もダークな感じも流石です。この辺りはクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジの影響も大きいのでしょうが、ちゃんとオリジナリティをもってアップデートしていて、彼らよりアプローチ的に英国的というか、スタイリッシュです(笑)
 個人的にArctic Monkeysは2ndで終わってしまったかなーと思いながらも、2000年代の代表的なバンドとして標本的に今まで聴き続けていたのですが、本作で一皮剥けた感じがします。本作は特に尖っているアルバムではないのですが、今までのアルバム以上にリピートして聴けそうなスルメアルバムになっていると思います。今更、Arctic Monkeys?という人ほど聴いて欲しい良盤です。

ベストトラック:♯1「Do I Wanna Know?」


オススメ度:★★★★☆


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Ropes『Usurebi 』
 東京を中心に活動するachicoと戸高賢史による2人組のユニット、Ropes(ロープス)による2013年発表のデビューミニアルバム「Usurebi 」。

 前身バンドであるKARENの解散後に始めたユニットですが、2年ほどかかってやっと初めての音源リリースになります。KARENが急な解散で、ART-SCHOOLのギターの戸高と再びユニットを結成したのは自然の成り行きな感じがしましたが、音がグランジやオルタナな感じのギターではなく、アコースティックなものが中心であったり、あまり歪みを重視していないギターなので、少し彼のイメージからすると新鮮です。achicoが相変わらずの母性的でハスキーなというか、個性的な声の持ち主なので、どんなバックトラックであろうと、彼女の色に染めあげてしまいますが、本作も予想通りな印象です。
 ♯2「usurebi」、♯5「パノラマ」辺りがachicoの声に戸高のギターが寄り添うように弾いていて、耳に残りました。ギター以外は予想通りな感じですが、少し地味な感じがするので、それが強力にプッシュしにくいというか、残念です。ただ、KAREN以上にachicoの声が前面に来ているので、好きな声であれば是非とも聴いてみてください。

ベストトラック:♯5「パノラマ」


オススメ度:★★★★


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the band apart『街の14景』
 東京を中心に結成された4人組のロックバンドthe band apart(ザ・バンド・アパート)による2013年発表の2年ぶりの6thアルバム「街の14景」。

 相変わらずポストロックとミクスチャーロックを混ぜたような雑食サウンドとお洒落なメロディライン……イメージ通りの彼らの延長と言えます。ただ、本作は震災以降の音源から心境が変わったのか、ほぼ全曲日本語詞で歌っていることでしょう。あまり日本語詞に聴こえないような発音ではありますが、彼らのお洒落感が減退したような。喩えるなら90sのちょっと地味めなビジュアル系ボーカルのような感じとでも言えば良いでしょうか。お洒落とダサさが同居している感じ(笑)
 ただ、後ろの演奏やアレンジは流石。安定した演奏能力と音数の削ぎ方とかは、やはり偏差値が高い感じのロックです。前作と比較すると明るめの曲調が多くなったような印象を受けます。♯2「ノード」、♯4「夜の向こうへ」、♯13「8月」辺りが耳の残りますね。跳ねるようなカッティングのギターが印象的で演奏良いです。ただ、全体としては、やはり今までのファンは絶賛でしょうが、新規のリスナーにとっては敷居が高いような気もします。このバンドって演奏能力のほうに耳がいっていまう、歌モノバンドとしては珍しいバンドなので少し薦めにくいです。でも、プレイヤー側をはじめ、熱烈なファンが多いので、試聴して気になったらアルバムも手にとってください。

ベストトラック:♯2「ノード」


オススメ度:★★★★



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Franz Ferdinand『Right Thoughts, Right Words, Right Action』
 グラスゴー出身の英国を代表するバンドとなったと言っていい4人組のロックバンド、Franz Ferdinand(フランツ・フェルディナンド )、2013年発表の4thアルバム「Right Thoughts, Right Words, Right Action」。前作から四年ぶりのアルバムとなります。

 前作「Tonight」が正直、ネタ切れでロックに回帰したのかなーと思える作品だったのですが、本作は2nd以前のフランツが戻ってきています。アルバム冒頭の♯1「Right Action」から陽性全開のダンスロックでスカっとします。また♯3「Love Illumination」や♯4「Stand On The Horizon」なんかも、お洒落で薄っぺらい感じが……あーフランツってこうだよね!!って思わせてくれる、何も考えずにリズムにノレる曲満載で原点回帰と言っても良いのではないでしょうか。♯8「The Universe Expanded」のようなダークな曲でも、あくまで「踊れる」快楽性の部分を残していて、集大成的なアルバムになっていると思います。フランツって尺が短い曲のほうが良曲が多いですしね。長尺になると頭デッカチになってしまうというか、ストレートな曲のほうがバンドとしての彼らの良さが引き立ちます。また本編最後の♯10「Goodbye Lovers & Friends」もアルバム最後にふさわしいです。バンドが自分たちの強みを再認識したアルバムと言っていいでしょう。2nd期までのフランツが好きなら、是非とも聴いてください。

 2枚組のデラックス版のほうですが、バンドの生演奏を中心に同曲をアレンジしていて、特典としてはかなり面白いというか太っ腹だと思いました。迷っているのなら、2枚組のDX盤のほうをオススメします。

ベストトラック:♯1「Right Action」


オススメ度:★★★★☆


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Gambles『Trust』
 NYのシンガーソングライターMatthew Dabiel Siskiniによるソロプロジェクト、Gambles(ギャンブルズ)による2013年発表のデビューアルバム「Trust」。

 全く知らずに試聴して、手に取ってみたのですが、ボン•イヴェールとか好きな人は好きかもしれません。アコギ一本でのストロークと朴訥した歌声がたまりません!!ビヨンセのウェブデザインを手がけるデザイン事務所の創設者とあるので、本業がミュージシャンという訳ではないのですが、全く売れ線無視の剥き出しの歌が良いですね。
 レナード•コーエンのような低くて渋い歌声が冬にぴったりな感じとでも言えばいいでしょうか。惜しむべくは、メロディも声も良いのだから、ここまで剥き出しのデモテープのような音源ではなくw、ちゃんとリズム隊など入れた形で最低限のアレンジをして、再発表して欲しいなーと思いました。凄い巧い訳ではないのだけど、歪な生まれたての歌という感じでWEB時代だからこそ、新鮮に映るし、発表されてここ日本でも聴けるのではないでしょうか。オススメは、本作収録の♯3「So I Cry Out」、♯5「Trust」、♯13「Animal」の三曲です。気になったら、是非とも手に取ってみてください。次の音源でどう変化するのかが楽しみなアーティストです。


ベストトラック:♯5「Trust」


オススメ度:★★★★



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ハルカトミユキ『シアノタイプ』
 立教大学の音楽サークルでハルカとミユキの2人によって結成されたデュオ、ハルカトミユキによる2013年発表のメジャーデビューフルアルバム「シアノタイプ」。

 メッセージ性やポップなメロディとのギャップで頭一つ、新人バンドから抜けたと思っていたら、早くもメジャーデビューです。正直ちょっとはや過ぎないか?という思いもあるのですが、ブレイクした頃の椎名林檎を更に暗くしたような感じで、世界観自体が売りと言えるかと思います。メッセージの一番大きい部分は、群れて生きることや常識への疑問符と言ったものが中心で目新しさ自体はほぼ皆無なのですが(Coccoほど病んではいないですw)、ポップで耳障りが良いメロディは少し90年代っぽくて、上の世代ほど懐かしいです。♯2「マネキン」ではシューゲイザー的なアプローチに挑戦したり、軽快なギターリフが気持ち良い♯5「Hate you」では明るい曲調に、「Hate you」という言葉を乗せたりと遊び心もあるので、飽きにくいのではないでしょうか。
 それにしても、ひさびさにみんなで盛り上がりにくいメッセージというか、アンチフェスな感じのアーティストなので(笑)、是非とも頑張って欲しいと思います。2000年代の下北界隈のギターロックにはこんな感じのメッセージ性を持ったバンドが多かったのですが、いつの間にか、四つ打ちで踊れることやみんなで歌えること自体のほうが主流になってしまいましたね。是非とも今のスタンスをメジャーのフィールドでも貫いて欲しいです。

「生きているってこんなにも 素晴らしいことなんだと、
画面の中でただ繰り返す いい加減、うるさいな。」(♯4「mosaic」)


ベストトラック:♯2「マネキン」


オススメ度:★★★★


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bloodthirsty butchers『youth (青春)』
 吉村秀樹を中心とする4人組のロックバンド、bloodthirsty butchers(ブラッドサースティー・ブッチャーズ)、2013年発表の13thアルバム「youth (青春)」。

 前作から3年半ぶりとなるオリジナルアルバムですが、吉村秀樹が心不全で急逝してしまい、本作がラストアルバムになってしまいました。しかし、そんな感傷的な事実を吹っ飛ばすような名盤となっています。結成28年目で「youth (青春)」とタイトルを付けてしまう大胆さと名前負けしないような初期衝動と疾走感、でも若手には出せないような独自性や生々しさ!!オルタナロックド直球でありながらも、ライブをパッケージしたかのような新鮮さ……なんで、今更こんなキラキラとした音が鳴らせるのか?また、途中加入の田淵ひさ子のギターが吉村のギターパートと有機的に絡みあっていて、前作アルバム以上に更にバンド感が増しています。本人たちはラストアルバムになってしまうという前提で作っていないからこその、カラっとして感じ、ブッチャーズが戻ってきたなーというのが嬉しくなるアルバムです。
 ♯1「レクイエム」、♯3「デストロイヤー」、♯5「ディストーション」の三曲は文句無しに名曲です。青春が終わってしまったことを改めて確認してそれを惜しみつつも、前に進んで行く、そんなありふれたコンセプトのアルバムですが、それでも、音の説得力でこれだけ響き方が変わるんだなーと改めてその音の説得力の違いを感じました。正直、ブッチャーズはクセのあるバンドなので万人受けはしないでしょうが、少しでも気になったら、試聴だけでもしてみてください。もう新譜が聴けないのが残念ですが、最後まで孤高を貫いたバンドと言えるし、これがラストアルバムとなってしまったからこそ、記憶に残るのではないでしょうか。

ベストトラック:♯3「デストロイヤー」


オススメ度:★★★★☆


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