実は去年の末に発表されていた音源なのですが聞き忘れてたので、反則的に入れてしまいます。 五年ぶりとなる音源でまだ活動していたんだ?という驚きとともに聴いてみましたが、前作の延長上の音ながらも少し繊細な感じになっていて、相変わらず完成度が高いです。ポストロック、音響系、エレクトロニカetc……などのワードが思い浮かびますが、物鬱げな女性ボーカルと、起伏のある展開をする美メロ、レイヤー状に散りばめられた多層的なノイズなど、それぞれが絡みあって、とてもドラマチックで内省的な曲を鳴らしています。World's end girlfriendやAureoleなどが好きな人はチェックすべき音源だと思います。完成度が凄まじく高い音源ながら、かなりアーティストしても個性も強いので、人を選ぶ音源です。
解散から再結成を経てついに11年ぶりとなる新作となる本作。アコースティックで爽やかな5thアルバム「A New Morning」と活動停止前は音源を出す度に、賛否両論で今までの熱烈なファンの声に応えられるのか、疑問でしたが、本作ではギターを基軸とした黄金期のスウェードに戻っています。新しいものが求められる風潮がある中で、ほとんどのバンドは輝かしい過去より今を更新しようともがくものですが、ちゃんと自分たちがお客さんに何を求められているのか、冷静にジャッジできているように思いました。3rdアルバムまでのプロデューサーであるエド•ビューラーを指名したことも大きいかと思いますが、その頃のスウェードが好きな人にはたまらないアルバムになっています。日本人の琴線に響くメロディとブレットの絡み付くボーカル、メロディのサビとともに、ギターも別サビが入る展開など、この人達ならではの耽美ロックを味わえます。